びっちーぶろぐ

欧州駐在員雑記ブログ

【Netflix】アンオーソドックスを見てみた感想【ユダヤ人とは】

せっかくのお休みだし、久しぶりにNetflixでも見ようと思ってたところ、1つのタイトルの説明欄が目に留まった。

「ニューヨークの超正統派ユダヤ人社会で生まれ育ったエスティは、虚しい結婚生活を1年間送った後、新しい人生と自由を求めてベルリンに逃亡する」

そもそもユダヤ人って、多くの日本人にとってはなじみがないんじゃないかな。ナチスに大量虐殺された民族だよね?ユダヤ教だよね?お金稼ぎがうまい?きっとこんなイメージでしょう。大方正解だけど、どんな人種で、どんな格好してて、とまで理解できている人はそこまでいないと思う。

ざっっくりいうと、ユダヤ人とは「ユダヤ教」を信仰している人たち。つまり、日本人といったらこんな感じの人種って頭にすぐ浮かぶけど、ユダヤ人ってこんな感じって浮かびにくいのは致し方がない。

ユダヤ教っていうのは、キリスト教イスラム教の元になった宗教なんだけど、それ以上の説明はWikipediaにまかせたい。もちろんユダヤ教って言っても、宗派がたくさんあるのだけど、このアンオーソドックスで取り扱われてるのが、「超正統派」の人々。

実は昨年、幸運なことにイスラエルに仕事で行く機会があった。この写真が聖地エルサレムの「嘆きの壁」。ここに写っている黒装束の人々がまさに超正統派ユダヤ人といわれる人々。

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嘆きの壁エルサレム

この超正統派の方々は、ベルギーのアントワープにもたくさん暮らしている。だからこの人たちなんなんだろう?という疑問を絶えず抱えていた。「なんでこんな黒装束を身にまとってるわけ?」「なんでこんな帽子を常にかぶっているわけ。」「あれ?子供も黒装束じゃん。」正直なところ、怖いと思った。あまり見た目で判断はしたくないのだが、異様な光景なのは否めないのだ。

 

イスラエルに行ったときに、親しくしているお客さんに「この人たちは、普通の生活が送れるとは思えない。どうやって稼いでいるの?」って聞いたところ、「それは社会問題になっている。政府が保護することになっている。」と教えてもらった。このドラマにうつされているように、彼らはインターネットも使用していない。だからGoogleの検索も知らないで生きている。彼らの連絡交換方法は、本物の掲示板なのだ。だから「普通の仕事」はできそうにないのだ。彼らの仕事は、ユダヤ教の研究であり、多くの人は貧困層だといわれている。(ちなみに、今回のコロナ騒動でも、宗教行事を止める気がなかったため、クラスター感染を起こしている、というニュースが流れている。)

こうした背景があると、この作品はとても面白いかもしれない。エスティがどうして超正統派のコミュニティから逃げたくなったのか。逃げた先のドイツで待ち受けている現実はどんなものなのか。また、この主人公が逃げた先が、ユダヤ人を大量虐殺したドイツなのだ。ユダヤ人がホロコーストでの出来事にどういう感情を持っているのか、そういったことまで、このドラマは伝えてくれている。ユダヤ人とはなんなのか、そんな興味ある方にはおすすめの一本。