びっちーぶろぐ

欧州駐在員雑記ブログ

それでも、僕は「一律10万給付」は愚策だといいたい。

表題の通り、政府がコロナショック対策として決めた「一律10万給付」は愚策だと、ずっと思っています。下記、ヤフーの「みんなの意見」によれば、約90%がこれに賛成しているようです。

https://news.yahoo.co.jp/polls/domestic/41367/result

僕がこれが愚策だと思う理由は、必要のないひとに、必要以上にお金を配る点に限ります。年金受給者、赤ちゃんレベルの幼児などが、本当に苦しんでいるような方々と一律の金額がもらえるってどうしても納得できません。しかも、こんな政策をしているのが世界にはどこにも見当たらないです。アメリカも一律給付をしているが、年齢制限はちゃんとあり、日本の無制限ではありません。

「そんな分類している時間はない。早急の給付を。」というのが、支持者の声でした。たしかに、当初に政府が用意していたプログラムは複雑にしすぎたかもしれません。ただ、僕はそれでもお金をバラまいていいとは思いません。これが国債発行数を抑えられている国ならわかります。ご周知の通り日本の国債発行数は世界ナンバー1です。MMT理論をもとに、問題ないとされているのかもしれませんが、それはまだ社会的実験中であり、まだ結論は出ていません。この政策決定により、給付の予算が4兆円から12兆円に大幅に増えました。この増えた8兆円は、必ず将来私たちの足を引っ張ってきます。また、コロナショックは長期化するのが大方の予想で、本当に苦しんでいる方が、10万円でたりるとは思えず、この負担はますます増えていくでしょう。

当初ほどじゃなくても、他に方法はなかったのでしょうか。例えばアメリカ程度の制限を付けることは可能だったのではないでしょうか。「20歳以下は5万円」「年金受給者は対象外」などこの程度の分類をするのに、そこまで時間がかかるのでしょうか。また、緊急事態の対応をするのに時間がかかるのは当然です。それに様々なリスクがあるからこそ、日々私たちは自己研鑽し、貯蓄などをして自己防衛するのではないのでしょうか。1-2か月も耐えられないとしたら、それもすべて国(みんな)の責任で、その少数派の人に合わせて税金というみんなのお金をバラまくべき、とは僕は思いません。

この政策変更が、将来に不安を抱えている国民がかなり多いという実態を表しています。「国民感情」が荒れているため、政府のちょっとした考慮に対する許容もなく、「いいから早く給付を!」という急かす声が圧倒してしまっていました。政府も国民の信頼がないと政治を進められませんので、当初の予定を変更せざるを得なくなったのでしょう。ただ、「将来が不安」なのと「生活に困窮している」のは別の話です。

僕は、もうこの結果を「国民の選択」だとして受け止めています。90%もの人が賛成しているのですから、致し方がありません。この決断がどう影響していくのか、この政策を提案した政治家は今後どう行動するのか注視したいと思っています。