びっちーぶろぐ

欧州駐在員雑記ブログ

【ゼロからのフランス語奮闘記】駐在員頑張ってみた【その1】

わたし、ピーンときちゃいました。

ピンチはチャンス。

これが、モットーでかれこれ30年ほど生きてきました。なので、「心の切り替え大魔神」の自負がございます。

コロナで海外のロックダウンで大丈夫?と声を掛けられるものの、「今こそ本読むチャンスじゃー!」「ニュースチェックが捗るぜー!」「料理も挑戦できるぜー!」など、室内でかなり充実ライフを過ごしてきてしまいました(笑)ダイエットも、コロナ太りもどこ吹く風で2㎏の減少に成功いたしました。我ながら、ナイス天然ポジティブ。

どれもこれも楽しく、これが続いてもまだまだいけるぜー!なんならテレワークですむなら、出勤時間もなくなるし、このままでもかまへんでー!と思っていたこの頃。

できる限り挑戦していた充実してた私ですが、

次に、急浮上してきたのが、フランス語。

(なんでやねん。)

パリが好きだ!仕事でも使えそうだ!トリリンガルはかっこよさそうだ!ベルギーの生活にも役立ちそうだ!

もう、これはやるしかない。そしていいことに、仏語検定というものがある。調べたところ、なんとパリでも受験できるじゃないか。3級から受けられるようだ。

さすがに、受験日の11月ごろには、テストできるでしょうと願うのみである。

なにより、半年という限られた期間で、どれくらい自分が成長させられるのか。すごいわくわくした。

わくわくって何かをやるのに十分な理由。どう役にたつかわからないけど、とりあえず走ったわけです。

いま、勉強し始めて1週間経ちました。1週間やっただけでも、我ながらあっぱれ。

とりあえず、できる限りやってみます!

このブログでは、このポンコツが、勉強法にかんして、あーだこーだいうかもしれませんが、温かく情報・応援をいただけると幸いです(笑)

モチベーションアップのために、コロナ前に行ったパリの写真を!

 

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パリ 凱旋門

 

【Netflix】アンオーソドックスを見てみた感想【ユダヤ人とは】

せっかくのお休みだし、久しぶりにNetflixでも見ようと思ってたところ、1つのタイトルの説明欄が目に留まった。

「ニューヨークの超正統派ユダヤ人社会で生まれ育ったエスティは、虚しい結婚生活を1年間送った後、新しい人生と自由を求めてベルリンに逃亡する」

そもそもユダヤ人って、多くの日本人にとってはなじみがないんじゃないかな。ナチスに大量虐殺された民族だよね?ユダヤ教だよね?お金稼ぎがうまい?きっとこんなイメージでしょう。大方正解だけど、どんな人種で、どんな格好してて、とまで理解できている人はそこまでいないと思う。

ざっっくりいうと、ユダヤ人とは「ユダヤ教」を信仰している人たち。つまり、日本人といったらこんな感じの人種って頭にすぐ浮かぶけど、ユダヤ人ってこんな感じって浮かびにくいのは致し方がない。

ユダヤ教っていうのは、キリスト教イスラム教の元になった宗教なんだけど、それ以上の説明はWikipediaにまかせたい。もちろんユダヤ教って言っても、宗派がたくさんあるのだけど、このアンオーソドックスで取り扱われてるのが、「超正統派」の人々。

実は昨年、幸運なことにイスラエルに仕事で行く機会があった。この写真が聖地エルサレムの「嘆きの壁」。ここに写っている黒装束の人々がまさに超正統派ユダヤ人といわれる人々。

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嘆きの壁エルサレム

この超正統派の方々は、ベルギーのアントワープにもたくさん暮らしている。だからこの人たちなんなんだろう?という疑問を絶えず抱えていた。「なんでこんな黒装束を身にまとってるわけ?」「なんでこんな帽子を常にかぶっているわけ。」「あれ?子供も黒装束じゃん。」正直なところ、怖いと思った。あまり見た目で判断はしたくないのだが、異様な光景なのは否めないのだ。

 

イスラエルに行ったときに、親しくしているお客さんに「この人たちは、普通の生活が送れるとは思えない。どうやって稼いでいるの?」って聞いたところ、「それは社会問題になっている。政府が保護することになっている。」と教えてもらった。このドラマにうつされているように、彼らはインターネットも使用していない。だからGoogleの検索も知らないで生きている。彼らの連絡交換方法は、本物の掲示板なのだ。だから「普通の仕事」はできそうにないのだ。彼らの仕事は、ユダヤ教の研究であり、多くの人は貧困層だといわれている。(ちなみに、今回のコロナ騒動でも、宗教行事を止める気がなかったため、クラスター感染を起こしている、というニュースが流れている。)

こうした背景があると、この作品はとても面白いかもしれない。エスティがどうして超正統派のコミュニティから逃げたくなったのか。逃げた先のドイツで待ち受けている現実はどんなものなのか。また、この主人公が逃げた先が、ユダヤ人を大量虐殺したドイツなのだ。ユダヤ人がホロコーストでの出来事にどういう感情を持っているのか、そういったことまで、このドラマは伝えてくれている。ユダヤ人とはなんなのか、そんな興味ある方にはおすすめの一本。

それでも、僕は「一律10万給付」は愚策だといいたい。

表題の通り、政府がコロナショック対策として決めた「一律10万給付」は愚策だと、ずっと思っています。下記、ヤフーの「みんなの意見」によれば、約90%がこれに賛成しているようです。

https://news.yahoo.co.jp/polls/domestic/41367/result

僕がこれが愚策だと思う理由は、必要のないひとに、必要以上にお金を配る点に限ります。年金受給者、赤ちゃんレベルの幼児などが、本当に苦しんでいるような方々と一律の金額がもらえるってどうしても納得できません。しかも、こんな政策をしているのが世界にはどこにも見当たらないです。アメリカも一律給付をしているが、年齢制限はちゃんとあり、日本の無制限ではありません。

「そんな分類している時間はない。早急の給付を。」というのが、支持者の声でした。たしかに、当初に政府が用意していたプログラムは複雑にしすぎたかもしれません。ただ、僕はそれでもお金をバラまいていいとは思いません。これが国債発行数を抑えられている国ならわかります。ご周知の通り日本の国債発行数は世界ナンバー1です。MMT理論をもとに、問題ないとされているのかもしれませんが、それはまだ社会的実験中であり、まだ結論は出ていません。この政策決定により、給付の予算が4兆円から12兆円に大幅に増えました。この増えた8兆円は、必ず将来私たちの足を引っ張ってきます。また、コロナショックは長期化するのが大方の予想で、本当に苦しんでいる方が、10万円でたりるとは思えず、この負担はますます増えていくでしょう。

当初ほどじゃなくても、他に方法はなかったのでしょうか。例えばアメリカ程度の制限を付けることは可能だったのではないでしょうか。「20歳以下は5万円」「年金受給者は対象外」などこの程度の分類をするのに、そこまで時間がかかるのでしょうか。また、緊急事態の対応をするのに時間がかかるのは当然です。それに様々なリスクがあるからこそ、日々私たちは自己研鑽し、貯蓄などをして自己防衛するのではないのでしょうか。1-2か月も耐えられないとしたら、それもすべて国(みんな)の責任で、その少数派の人に合わせて税金というみんなのお金をバラまくべき、とは僕は思いません。

この政策変更が、将来に不安を抱えている国民がかなり多いという実態を表しています。「国民感情」が荒れているため、政府のちょっとした考慮に対する許容もなく、「いいから早く給付を!」という急かす声が圧倒してしまっていました。政府も国民の信頼がないと政治を進められませんので、当初の予定を変更せざるを得なくなったのでしょう。ただ、「将来が不安」なのと「生活に困窮している」のは別の話です。

僕は、もうこの結果を「国民の選択」だとして受け止めています。90%もの人が賛成しているのですから、致し方がありません。この決断がどう影響していくのか、この政策を提案した政治家は今後どう行動するのか注視したいと思っています。

【コロナウイルス】ベルギー政府の対応

本日3/28、ベルギー公衆衛生省の発表によると、ベルギーの総感染者数9134人に上り、64名が亡くなられています。発表の過去24時間以内には新たに1850件の新規症例が確認されました。日本の10分の1の約1100万人の人口の小さい国ですが、コロナウイルスの猛威は止まりません。こんな緊急事態だからこそというのもあり、普段感じない「ベルギー政府」を肌で感じるようになりました。

まず第一に指示が具体的です。下記URLが原文ですが、ここでは在ベルギー日本大使館の翻訳を例として使用しています。

https://www.info-coronavirus.be/en/faqs

===日本大使館による訳文引用その①===

  • どのような時に自宅を出ることができますか?
    自宅にいなければなりません。以下の必要な場合にのみ外出が許可されます。
    ◎職場に行く
    ◎仕事で移動する
    ◎(営業が)認められた店舗に行く
    ◎銀行(ATM)または郵便局に行く
    ◎医者に行く
    ◎脆弱な人に支援を提供しに行く

===引用終わり===

===日本大使館による訳文引用その②===

【店舗や企業に関する措置】
●どの店舗が営業していますか?
以下を除く店舗は閉鎖されます。
◎夜間営業(夜10時まで)の店舗を含む食料品店
◎ペットフード店
◎薬局
◎書店
◎ガソリンスタンド及び燃料サプライヤー

●これらの店舗はどのような条件下で営業できますか?
遵守する必要がある注意事項は次のとおりです。
◎お互いの距離が1.5メートルになるように,必要な措置を講じる必要があります。
◎大規模店舗では,10平方メートルあたり顧客1名まで入場でき,顧客は最大30分間しか滞在できません。
◎セールや割引の実施は禁止されています。
◎食料品店は午前7時から午後10時までしか営業できません。
◎夜間営業の店舗も午後10時に閉店する必要があります

===引用終わり===

ここまで具体的だと個人で判断する量が減ります。日本ではこれが「気遣い」「自粛」などの言葉で片付けられ、個人に判断によって、基準が変わってしまいます。こういった姿が「リーダー」なのだと思います。

第二に決められた規制が徹底されています。

当然これらの規制が守られなければ、罰則が与えられます。当然、コロナの影響が大きくなってから、警察の見回りが増えました。驚いたのは、大型スーパーの駐車場に警察の見張りがいたことです。スーパーでは決められた人数しか入れません。ですので、入場制限が入った場合、店の前で「社会的距離social distance」の1.5mを保つ必要があります。おそらくそれを見張っていたと思います。(写真が悪くてすみません。)

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もう一枚の写真は、フリッツという揚げ物屋さんでテイクアウトを待つ人たちです。

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また下記写真は閉鎖された公園です。警察のテープで閉じられています。

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いまでは、美容室は閉店するようにいわれています。少し前は、一人ずつの入店なら営業可でした。そのときに、サービスを受けたのですが、私が入店したらドアの鍵を閉めていました。それくらいの徹底を求められているのだと実感できました。

 

ここ最近、日に日に救急車が増えています。本日でも自宅前を3回通過しました。感染者数のピークアウトもなかなかしないので、比較的年齢も若い時分でも恐怖心が芽生えないといったら嘘になります。一方で、自分の住んでいるアパートにはご高齢のかたがたくさんいらっしゃいます。自分が感染して、その方たちの命の奪うようなことはあってはならないです。従って、ベルギー政府のこの真剣な取り組みを私はもちろん評価しています。

こうした経験をしていると、ニュースで見ている日本の雰囲気は緩すぎではないか、と思っています。大事な人、または大事な人の大事な人の命を奪いかねない病気です。今は、ウイルスを徹底的に抑えこむこと、それが重要だと思います。大事な休みかもしれませんが、人生は長く、それから見ればちょっとの我慢です。みんなで乗り切りましょう!

休み方改革のススメ?

現在住んでいる国では、病欠しても病院で診断書をもらえれば有給休暇にならない。

 

学生の時に、がっつり日本の体育会で育ったので、「風邪をひいたら、自己責任。体調管理ができていない自分が悪い。」そう言われてたし、そう思ってた。でもコロナウイルスのニュースをみても、同じこと思うのかな?

実は、そういう風に育ったこともあって、いままで風邪をひいても、言うのが恥だと思ってた。だから、無理して休まず出勤したことが何度もある。でも、今思えば、風邪をうつして、他の人も休まれるほうが組織的にはよくないし、病欠したほうがよかったんだなと思う。

 

と、いろいろ考えを巡らせると、風邪をひいたら有給を使うのってやっぱりおかしくない?

 

日本での病欠って「個人の健康管理が不十分」という考えが、ベースにあると思う。そうじゃないと有給で対応ってならないはず。

でも、それじゃあ、会社に行く途中の「満員電車」でうつされた風邪は完全に個人の責任?残業が続いて、睡眠が足りなくて風邪ひいたら個人の責任?有給使い果たした後に風邪ひいた場合は、死ぬ気で出社して、会社にウイルスまき散らしたほうがいいの?

きっと違う。理想は、「風邪をひいたのなら、会社のことはひとまず置いといて、ゆっくりやすんでね。元気になったらまた頑張ろう」という雰囲気じゃないかと思う。

 

もちろん、反論はわかる。人間だから、すぐさぼって休みを取り出す人も現れるだろう。ちなみに、ローカルスタッフにきいてみたところ、「正直そういう輩も友人にいるよ。」とのこと。ぼくが「それに対してどう思う?」ときいたところ、「自分は罪悪感を感じるタイプだからしないかな」とのこと。この”ズル休み”に対して、私はそれくらいいいのでは、と思ってる。いま年功序列・終身雇用がなくなり成果主義が進もうとしている中で、「休んでるかどうかよりも、結果がすべて」というような価値観は大事じゃないか。それに、突発的な休みを繰り返して、成果がでるのかも疑問だし、出るのなら、それでいいのでは。休んでほかの人がカバーすることになった、というような同僚の苦情には、そのカバーした人の評価を上げればいいわけだし、やむなく休んでしまった場合は、そんなに頻繁に年に起こるわけはないのだから、ほおっておくのも選択肢。というかそういうのに似た状況はこちらでも起きいて、大きな問題になったことはほとんどない。問題があれば、客のほうから総合窓口に問い合わせてくる。

もちろん有給かどうかも大事なんだけど、「体調が悪い人はしっかり休ませる」そういうゆとりある雰囲気を作れる社会になってほしいよねって話でした。

 

それでは、また。

【読書】「自分だけの答え」が見つかる 13歳からのアート思考【感想】

今日お話したいのはこの本。 

「自分だけの答え」が見つかる 13歳からのアート思考

「自分だけの答え」が見つかる 13歳からのアート思考

  • 作者:末永 幸歩
  • 発売日: 2020/02/20
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

アマゾンでおすすめに出てきたので、タイトルが気になったので即ぽちっと。

ヨーロッパには、ルーブル美術館をはじめ、名だたる芸術作品が至るとこにあります。観光が好きな僕は必ずといっていいほど、美術館によるようにしています。とはいえ、正直なところ、絵がよくわかっているわけではありません。ただ常にもっとわかるようになったらいいなと絶えず思っていて、来館したときには、オーディオガイド・ガイドブックなどを利用しながらできるだけ、その絵を理解しようとしていました。

また、同時に私は美術がもともと好きではありませんでした。国数英理社といったメインの5教科は評定の5を取れるのに、美術はなぜか3。いまいち評価の基準もよくわからないし、自分が絵をかいても「ド」が付くほど下手でした。当時の私には、美術が社会に出て役に立つとも思えず、ほんとうに嫌いでした。

この著者は、本当の美術の先生とのことで、そんな当時の私の気持ちを理解してくれています。また、繰り返し美術館に行く中で、私の中で二つの疑問が上がっていました。

「有名な絵画を目の前にしても、数秒で場所を移動してしまって、絵画を楽しむこと以上に、絵画を”見た”ことに満足している気がする」

ルネサンスから印象派くらいの、宗教画・肖像画・背景がくらいまでは、素敵だなあとわかるけど、ピカソみたいな最近の絵の良さが正直わからない」

この本は、 そんな疑問に答えてくれます。

特に、マルセル・デュシャンの「泉」の解説には、天と地がひっくり返された気分でした。

また、私は多分「かっこつけ」のところがあって、美術を理解したいと「知識」を付けようと躍起になっていたと思います。この本はそんな「頭でっかち」の私にがつんと衝撃を与えてくれました。この感覚は、身の回りの人に「ワインはうんちくじゃなくて、体で味わえ」といわれた衝撃と少し似ています。

「美術」の観点で話してしまいましたが、この本で救われる人はかなり多いのではないかと思っています。私たちは思った以上に、凝り固まった「ものの見方」をしています。それをこの本で紹介されている「アート」を通じて、発見できること間違いなしだと思います。そんな発見なかなかできないですよ?気になる方はぜひ読んでみてください。

 

最後に、私がこないだパリのオルセー美術館で撮影したクロード・モネの「睡蓮の池」。

 

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クロード・モネ 睡蓮の池

今回の本のおすすめ度 4.8/5

それではまた!

【読書】〈インターネット〉の次に来るもの 未来を決める12の法則【NHK出版】

前回の記事では、パリへの小旅行をとりあげました。

 

vicenza.hatenablog.com

 

ちょうどパリへ遊びに行ってた時は、イタリアのコロナウイルス感染者数がそこまで騒がれておりませんでした。今となっては、日に日に状況が変わってきてしまい、日本より感染者数が多い事態となっています。(仮に、日本であれ、イタリアであれ、感染者数を正確にカウントできている、というのが前提ではありますが。)したがって、心置きなくいろんなところへ旅行!というわけにいかないですが、今できることがいつだってあると思います。その中でコストパフォーマンスが一番いいのは読書なのではないか、と思います。

そもそもこのブログをはじめたかった理由として、もっと読書したことをアウトプットしたい、もっと読んだ後考えたこと思ったことの意見を交換したい、という理由がありました。お恥ずかしながら、読むスピードもそんなに速いわけじゃないこともあって、更新にいたっておりませんでした。

ですが・・・、ついにひと段落したのでこの本から始めたいと思います。

 

こちら、2016年に発売されているようなので、特別新しいわけじゃありません。私がTwitterをフォローしてる方が、紹介なさっていたので、日本に帰国したときに日本橋丸善https://honto.jp/store/detail_1575100_14HB310.html)で購入しまして、ずいぶんしばらく自分の部屋に読まずに積まれておりました。

基本的には、歴史系の本にハマっていたんですが、日々のなかで、「こんなに時代が進んでいるのに、自分の仕事のやり方が古い気がする」「テクノロジーが進むのがはやすぎて、漠然と不安に覚える」「歴史も大事。でも現代のことも知りたい。」という気持ちが芽生えてきまして、「ああ、そういえば買ってたな」と思いだして読み始めました。

著者は日本人ではないので、〈インターネット〉の次にくるもの、というタイトルは邦訳です。英語のタイトルは「THE INEVITABLE」。つまり「避けられないもの」言い換えれば「今後起きること」とでもなりますでしょうか。英語のサブタイトルは「UNDESTANDING THE 12 TECHNOLOGICAL THAT WILL SHAPE OUR FUTURE」で、「12個の未来を形作るテクノロジーへの理解」とも訳せるかと思います。

その中でも、私は下記のような視点を学べました。(本文ママではありません。)

・モノはコモディティ化するので、基本的にはコストは0に近くなる。では人々は何にお金を払うのか?それは「経験」だ。

この主張を読んだときなるほど、と思いました。日ごろから、訪日客数には興味がありました。また、日本だけではなく、LCCの発達もあり世界的に旅行者が増えています。自分も最近旅行が増えた人間の一人です。一方で「どうしてインスタグラムやガイドサイトで発達し、世界の綺麗な景色がスマートフォンを通して見えるのに、それをなぞるようにして旅行をするだろうか」と日ごろから思っていました。今回の読書を通して、今の私たちにとって、それを自分の脳を通して「経験」することに、多くの価値を見出してるのだ、ということを再認識しました。つまり、ガイドブックなどで読書するのではなく、自分の五感をつかって、「いつ」「だれと」「どういう理由で」「何をして」といった自分だけのストーリーを味わうのは、モノを買う以上の価値があるのだと。たとえそれが10万円かかる航空チケットでも私たちはそれにはお金を惜しまないんです。(惜しまない人が増えている。)元ZOZO社長のの前澤さんが、月に行く計画を立てているのもこれにぴったり当てはまります。つまり、今後のビジネスとしても、経験を売るものの需要は増えていくのだろうと思います。音楽ライブ・旅行・絵画/音楽教室・高級レストランなどなど。

 

上記は、ほんの一例です。ほかにも、「シェア」「AI」「トラッキング」など、聞いたことあるようなテクノロジーが紹介されています。単にその紹介でとどまるのではなく、「現代の人々がどのように、どのような経緯で、どうしてそこに価値を見出しているのか。」という本質的なものを、教えてくれていると感じました。

 

もしよかったら、ぜひ手に取って読んでみてください。

おすすめ度 4.3/5

 

それではまた!